幼稚園面接その２ [トラオ]
幼稚園面接その２
勿論、トラオはオバチャン（失礼）園長先生など興味はない。
園長先生はアンケート用紙を見て
「対話は殆どなし・・・お母さん、お子さんに話しかけていますか？」
「お母さんはお勤めですか？」
立て続けに訊かれ、いきなり、カウンターパンチ。
精神的ダメージが大きかった。
もしや、キャリアウーマン（笑）に見えて、忙しくて話していないように見えたか？しっかりめスーツが仇に・・・？（本当は絵描き。）
「比較的話しかけていると思うのですが・・・本人は話しているつもりなんですよ。発音が激しく悪いだけで。（必死！）」
さらに質問は続く。トラオにも先生は優しく話しかけてくださる。
が、しかし、トラオは己の世界に入り込んで、本の車を穴があく程見ていて、園長先生の話なんて聞かない。
ごきげんで「ブブーウウ～（俺のマシンは早いぜ～。妄想）」
とか言ってる。（貧血起こしそう）
このままではイカン。トラオのいい所をいわねば！
「家では、自分からオチッコって言って、ズボンを脱ごうとして、おまるでオシッコします！」とか
「家族の行動パターンをよんで先に行動します」等と、取り繕うように、はなした。
園長先生と、さんざん色々話した後に、
「・・・・あら、何月生まれ？」と聞いてきた。
「3月26日うまれです！！！」
日にちまで聞かれてないが、こちらは必死だ。
（遅く生まれてるんです！おおめにみて入れて～～！心の叫び）
そしたら、心配そうにしていたのに
「あら～～、今二歳半？じゃあ、大丈夫だわ～。」だって。
話が終わりにさしかかったのを察知し、トラオは、妄想の世界から現実に戻ってきて、本を鞄にしまおうとして
「ないな～い。」
といい。園長先生に
「ば～い。」
と、言って手を振り、一刻も早く去ろうとしている。
最後の数分のトラオを見た園長先生は、手の平をかえしたように、
「あら～、賢い子だわ。この子賢いわ。大丈夫。大丈夫ですよ！お母さん。
言葉が遅いと、周りの子に色々いわれたりして、しょげる子がいるけど、
この子はマイペースだし、何があっても、へこたれない性格ですね。」
と言われた。最終的には良かったが、かなり冷や汗かいたよ～。
もう、スーツの脇まで汗びっしょり。
確かにヤツは賢いのだ。（自分勝手に！大人の望む賢さはない・・・）
そしてマイペースなのだ。人に何言われてもしらんぷりだ。
良く見てらっしゃる。さすがプロだ。ありがとう園長先生。すばらしい。
ご自分が許可なさったんだからトラオを退学にしないでね～。
と、おもいつつ、面接を終えたのでした。
名前はおろか、色も、年も言えなくても、見事（？）幼稚園に入れました！
入園半年。今も、殆どトラオは話せませんが、立派に幼稚園に通っています！
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