女子に誘われて☆ ２

昨日の続き
いやまあ。しかし、かき氷屋まで、歩いて3分。
横断歩道は一つ。しかも女の子はしっかりしていそうだし。
無茶な運転はすまい。
しかも、もうすぐ五時。
だいたい五時のチャイムでトラオは帰ってくるし。
と、のんきに構えておった。

しかし。5時半になっても帰らない。
おかしい。
ベランダでぼんやり、トラオを待つ母ちゃん。
近所の女の子たちが、習い事から帰ってきて、次々私に手をふってくれるけど、一向にトラオが帰る気配がない。

公園を見ても、トラオの声も気配もない。トラオが遊んでいたら、
確実に声が聞こえるし、自転車に乗っていたって、声の暴走族的効果音もけたたましいのだ。

トラオはいつも、私が言ったわけでもなく勝手に五時のチャイムで帰ってきてくれるけど、私は小学校の低学年で6時の時計をぼんやり見て夕陽をながめつつ、「ああ、お腹すいた。そろそろ家に帰らないとね」と思った記憶がある。私はトラオに対して、やや過保護なのかもしれない。
トラオも小学校2年生だ。帰るのが6時を過ぎてもおかしくないかもしれない。

ベランダからひっこみ、家事をするんだけど。
落ち着かない。再びベランダに出ると6時15分。うすぐらくなり始めている。
遊ぶのに夢中で遅いならまだいい。でも、自転車に乗っていたらまずい。
もしかしたら、一度自転車をおきに帰って、また何処かにいったかもと、自転車置き場を確認するも、トラオのプーさんの自転車はない。
不安がつのる。ふたたび、ベランダでまつ母ちゃん。

6時半。
本当にまっ暗。どうしよう。トラオは大丈夫だと信じつつ、無事だろうけど迷子かもしれない。警察に電話するには、まだ早い。
自転車が通るたび、トラオじゃないかと、おもいつつ、トラオが今、悲しくありませんように、強い気持ちでありますように、と祈りつつ待つ。待つ。待つ。待つ。待っていたら
「おかーーーーーさーーーーーんん。ごめんねーっつ」
と、半分泣いた声のトラオが！！！
自転車に乗って帰ってきたーーっつ
良かった、神様。トラオは、無事だったぁーーーっつ！！！
つづく

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