負けないでー！

トラオは、おおむね学校に行くのはたのしそうだし、おうちに楽しそうにかえってくるんだけど、時折、むむっと、眉根を寄せて
「うおおーっつ、しゅくだい、おおいーっつ！！」
大泣きしたり
「うおーっん！さんすうーーーーーむつかしーーっつ！！！」
・・とか、そーゆーので、大泣き・・・・
昔は、お腹が空いたりしてパニックになったけど、今は算数で大泣きするなんて、ニンゲンになったよなーーっと、しみじみ思う。

（算数プリントと計算ドリルの宿題が・・・算数の宿題多いよ！先生）

涙をぼたぼた、鼻水ぐじゃぐじゃで、算数プリントを取り出すトラオ。
どれどれ、何が難しいのじゃ？
今、お勉強している算数は割り算。余りがない割り算は、二年生の時に習った掛け算と同じだったので、トラオにもなんの問題もなかったんだけど。
「あまり」の、ある問題になって、急に混乱しはじめたのね～～～。
はあぁ～～～

「トラオ、トラオ大丈夫だよ。落ち着いたらできるからね。」
トラオが混乱するたびに、何度同じことを言ったかなぁ？
そしたらトラオが
「うわーーっつ、うわーーっつ、幼稚園のころ、ひらがな難しかったよー！」
そんな、昔の悲しいことを思い出すなんてーっつ！！
なるほど。今の「あまりのある、割り算」の難しさは、幼稚園の頃、無理やりかかされた、平仮名の練習に似ているのかもしれない。
トラオの心の負の連鎖ボロボロ～～～。

トラオは幼稚園は年中でやっと、日常の単語を話し出した、言葉の遅い子だった。そんな子に、幼稚園のカリキュラムとはいえ、習ったのは精神的にとても負担だったんだろうなぁ・・・

「トラオ、トラオ～～。幼稚園で、平仮名かけなかったけど、今は漢字も書けるでしょ？その時できなくても、ちょっと後になったら、できるようになるから、気にしないでいいんだよ、今はできなくっても、いいんだよ」
「うぐうぐ。。。。そっかー、トラオひらがなも、漢字もかける！」
「そうそう！！余りのある割り算も、すぐできるようになるからっつ！」
トラオの涙が消えて、笑顔に。ふうやれやれ・・・

子どもには、子どもの大変さがあるなぁ。大人には大人の、会社で働くには会社で働く大変さがあり、主婦には主婦の大変さがあるのじゃ。
その時、その人にあった最大の問題が、必ずやってくる。
そして乗り越えられない問題は起こらない・・・・らしい？！
人から見たら、ちっこい問題かもしれないけど、その時は、みんなそれが、すっごく大変なのだ！
みんな、負けるなぁーー！！！！

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