ラブレターかいた～？

「おかーーさーーん。
おかーーさん、こどもの　ころにーー、ラブレターかいたぁーー？」
ええーーっつ？トラオがすごいこと、聞いてきよったーーー！！
「ん～～、おかーーさんはね、ラブレター書いたこと、ないなぁーー」
と、私が答えるとトラオに
「うそっつ！！！！」
初めてトラオに、ハッキリ「ウソ」って言われた気がする・・・「ウソ」ってアンタ、見てきたように断言するのね。
「トラオはぁ、すきな女の子、いないからね～」
誰も聞いてないっちゅーの。トラオ、好きな子いるね？

しかし、ウソと断言されて、記憶の糸を手繰ってみて、はたと気づいた。
そーーいや、３歳年上の姉が、小学生でも彼氏らしきものがおった。交換日記を書いたり、ラブレターを書いていた。
なんか面白そうに思えて、私もちょっと好きな男子Ｈ君に姉の真似して、手紙を書いて渡した気がする。
しばらくＨ君と仲良く遊んだんだけど（いや、その前からも仲良かったから、別になんの変化もなかったのだが）、直後に彼は引っ越ししてしまった。
Ｈ君は、泣きながら、サンリオ製品のコップやランチョンマットをくれたっけ。
・・・美しい（？）思い出を思い出したよーだったんだけど、なんか、違う。胸にあるのは、激しい罪悪感。はて？
そーだ。私、彼が引っ越しても、実は全然悲しくなかったんだ！！！
泣いているH君。悲しくもなんともない、私。
しかも、しかも、キャラクター商品という高価な贈り物！！
おっつ、重荷っつ。重いっつ！

仲良しの女の子が引っ越した時のほうが、悲しかった、好きだった犬がいなくなった方が悲しかった！目が溶けるほど、ないたのに！！
H君、好きだった・・・けど。実は、犬以下だった・・・・

・・・その後二度と軽々しく好きなど言ってはいかんなぁ。「まことの好き」とはなんぞや？などと、小学校２、３年くらいの時に厳密に考えてしまい、小難しい純文学など読み、どんどん明るい青春から遠のいていた気がする。

さて、トラオは一体どんなラブレター書いて、どんなショッパイ思い出をつくるかいなぁ。楽しみである。はははは。
しかし、人間の脳って、すごいね。忘れたと思っていても、ちゃ～んとストックされていものね。多分、本当は全部覚えてるんだろうね。恐ろしい～～。

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