二つの祖国

「おかーさん、トラオ　韓国人と、日本人～？
どーーして、韓国と、日本なのーー？！」
「うんうん、お父さんがね、韓国人でね、お母さんが日本人だからだよ。
ソフトクリームで言ったら、ミックスだよ、ミックス！！
一回で、チョコとバニラが食べられてお得～」
「おとく～～～韓国と日本！おとく～～いぇ～～～」
・・・・何度もこの会話をしています。

さて、先日。お父さんのお友達Yさんが遊びに来た時も、トラオはこんな感じ。上記の質問をしてきたり、
「Sちゃんがーー、『トラオ　韓国で生まれたーーっ』て、いう。
トラオ、日本生まれだよーーう。」
って叫んだり。
（Sちゃんは、最近韓国ドラマにはまっているから、トラオを「韓国生まれ」にしたいらしいのです。Sちゃんお母さんから聞きました）


トラオオリジナルの、韓国・日本国旗を作ったり。（ガンダムのジオン軍の旗に似てるらしい？）

そしたら、お父さんのお友達Yさんが
「いいなーー、トラオ君は。」
と、言いました。え？どこ？どこが、羨ましいところあった？？？不思議に思う母ちゃん。Yさんが、さみしそうな目で話を続けます。
「トラオ君は、全部、お友達にいろいろお話しているんだね。
ぼくね、日本の名前だけど、本当は純粋な韓国人なんだよ。
韓国人であることを、小４のとき両親に教えてもらったんだけど、『内緒にしなさい』って言われて。それまで、日本人だと思って育ったのに。
あの時代は、内緒にしたほうが僕が生き易いと思って、親はそう言ったんだろうけどね。
僕が越えられない壁を、トラオ君はやすやす超えてて、僕は羨ましいよ」

・・・そうか・・・・「自分に流れている血を隠さない」それだけで、羨ましいなんて・・・。私は、自分が如何に苦労知らずに育ったか知りました。そして、トラオもが何も隠さず、そして、誰にもいじめられず、幸せにそだっているんだなぁ～～と、感謝しました。

今、若い人が習いたい語学は、英語の次に「韓国語」だそうです。
それだけ、日本人が韓国に興味を持っているというのがわかって有難いことです。
この先、二つの国がどんどん近くなって、よい関係になっていくことを願います。

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